緑の手を持つ花屋の私と、茶色の手を持つ騎士団長
12
私のお店の前に馬車が到着すると、御者の人が扉を開けてくれた。
ジルさんとヘルムフリートさんが馬車から降りたので、後に続いて私も降りようとした時、外にいたジルさんが私に向かって手を伸ばしてくれる。
(……はっ!? これが噂の貴族エスコート!!)
馬車に乗ったことが無い私は初めてのエスコートに緊張する。ちなみに小さい頃、乗った辻馬車でお父さんに手を取って貰ったのはノーカンだ。
「あ、有難うございます……っ」
私は恐る恐るジルさんの手を取った。
だけど、いつもの身長差が無くなった分、私は至近距離でジルさんの顔を見てしまう。
(ぎゃーー!! 眩しいーー!!!)
ジルさんのご尊顔は間近で見るとダメな奴だった。ある程度距離を取らないと美しすぎて目が潰れてしまう。遠視か乱視ぐらいが丁度いいかもしれない。
目がチカチカしながらも、私はしっかりとジルさんの大きな手を握って、無事馬車から降りることが出来た。
一瞬だけだったけれど、お姫様気分を味わえて夢心地だった私は、お店の周りの騒がしさに現実に引き戻されてしまう。
ジルさんとヘルムフリートさんが馬車から降りたので、後に続いて私も降りようとした時、外にいたジルさんが私に向かって手を伸ばしてくれる。
(……はっ!? これが噂の貴族エスコート!!)
馬車に乗ったことが無い私は初めてのエスコートに緊張する。ちなみに小さい頃、乗った辻馬車でお父さんに手を取って貰ったのはノーカンだ。
「あ、有難うございます……っ」
私は恐る恐るジルさんの手を取った。
だけど、いつもの身長差が無くなった分、私は至近距離でジルさんの顔を見てしまう。
(ぎゃーー!! 眩しいーー!!!)
ジルさんのご尊顔は間近で見るとダメな奴だった。ある程度距離を取らないと美しすぎて目が潰れてしまう。遠視か乱視ぐらいが丁度いいかもしれない。
目がチカチカしながらも、私はしっかりとジルさんの大きな手を握って、無事馬車から降りることが出来た。
一瞬だけだったけれど、お姫様気分を味わえて夢心地だった私は、お店の周りの騒がしさに現実に引き戻されてしまう。