緑の手を持つ花屋の私と、茶色の手を持つ騎士団長
13
ヘルムフリートさんがジルさんの馬車で帰ってしまったので、迎えの馬車が来るまで温室で一緒にお茶をすることになった。
私はクラテールを入れたポットにお湯を注ぎ、渋くならないように3分ほど蒸らす。
そうして濾したお茶をカップに注ぐと、透明感のある黄金色のお茶からりんごに似た優しい甘い香りがふわっと広がっていく。
「……うむ。美味い。香りは甘いのに味はスッキリしているな」
優雅な仕草でお茶を飲んだジルさんが満足そうに微笑んだ。
そして毎度おなじみ、舞い散る花びらの幻影。だけど今回は神々しい光の乱舞が追加されていた。ますますパワーアップする幻影に私はどこまで堪えられるのだろうか。
「お口に合って良かったです。このお茶はカミルというクラテールをメインにミンゼを少し足しているんですよ」
──平静を保った私を誰か褒めて欲しい。少しでも気を緩めると失神してしまいそうなので、私はぐっと気を引き締める。
ちなみにカミルはクリュザンテーメによく似た小さくて白い花で、飾るもよし・お茶にするもよしで、昔から親しまれているクラテールだ。
私はクラテールを入れたポットにお湯を注ぎ、渋くならないように3分ほど蒸らす。
そうして濾したお茶をカップに注ぐと、透明感のある黄金色のお茶からりんごに似た優しい甘い香りがふわっと広がっていく。
「……うむ。美味い。香りは甘いのに味はスッキリしているな」
優雅な仕草でお茶を飲んだジルさんが満足そうに微笑んだ。
そして毎度おなじみ、舞い散る花びらの幻影。だけど今回は神々しい光の乱舞が追加されていた。ますますパワーアップする幻影に私はどこまで堪えられるのだろうか。
「お口に合って良かったです。このお茶はカミルというクラテールをメインにミンゼを少し足しているんですよ」
──平静を保った私を誰か褒めて欲しい。少しでも気を緩めると失神してしまいそうなので、私はぐっと気を引き締める。
ちなみにカミルはクリュザンテーメによく似た小さくて白い花で、飾るもよし・お茶にするもよしで、昔から親しまれているクラテールだ。