竜王の一途な溺愛~私が前世で孵した卵は竜王の卵でした!?~

 エリナは、もし自分が見つからなければ、第二のエリスティナが生まれたのだろうかと思って震えた。
 真の番が見つかるまでの代替品。人間貴族の人身御供。
 そんなものに、誰かを貶めてしまっていたのだろうか。

 わからなくなって、エリナは顔を覆った。今はなにも考えたくない。
 エリナはふかふかのシーツに寝ころんだ。着ていたものは変わらず、エリナが気絶したあの時のまま。

「勝手に、気がえさせたり、しなかったのよね……」

 番なら、すぐに己の伴侶を着飾りたいものではないだろうか。エリナは、無遠慮に剥かれてドレスなどで飾り立てられていない自分を見て、ため息をついた。
 間違いのない気遣いを感じて、エリナは、自分が本当に大切にされているのだと知った。

「すこし、眠ろう……」

 絹のシーツが少しほこりっぽい。エリナのワンピースのせいだ。
 でも、今はそんなことを気にしないで、とにかく眠りたかった。
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