竜王の一途な溺愛~私が前世で孵した卵は竜王の卵でした!?~
 背筋が凍るような、温度のない、硬い声。
 エリナが思わず体を震わせると、クーははっとしたようにとりつくろった。

「あ、いえ、怒っているわけではないです。エリーに怒るなんて、絶対しないです。僕」
「う、うん。それを疑ったりはしてないわ。でもどうして……?」

 エリナの純粋な疑問に、クーは一瞬戸惑ったように口を引き結んだ。
 しばしの沈黙。ややあって、クーは口を開いた。

「どうして、理由を聞きたいんですか?」

 その声は震えていた。
 まるで、エリナがそれを聞くことが、つらくてたまらないみたいに。聞いてはいけなかったんだわ、と思ったエリナが、自分の質問を撤回しようと口を開けた時だった。
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