竜王の一途な溺愛~私が前世で孵した卵は竜王の卵でした!?~
 エリナはそういう子供たちに施しを与えるのが好きだった。貴族だった時の習慣が抜けていないせいだ。
 自己満足、というひともいる。しかし自己満足上等、である。エリナは今世はしたいことをするのだ。

 さあ今日は野良犬?野良猫?それともおなかをすかせた子どもかしら、なんて思って、アパートの階段を駆け下りて、その「おちていたもの」を目にしたエリナは思わず疑問符満載の言葉をつぶやいた。
 もうひとつおまけに。

「いや、ほんと、なにこれ。でかい男が行き倒れてるなんて予想してないわよ」

 などとつぶやき、額を押さえた。
 夜でもわかる鮮やかな金髪は、今は後頭部しか見えない。
 倒れているがけがはしていないようで、エリスティナはそこだけはほっとした。
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