転生したら伯爵令嬢でした(ただし婚約者殺しの嫌疑付き)。容疑を晴らすため、イケメン年下騎士と偽装恋愛を始めます!
4
部屋へ入って来たエミールは、私を見ておやという顔をした。
「……もしかして僕、お邪魔をしましたか?」
「まったくだ」
仏頂面で、アルベール様が仰る。
「お前のプディング増量キャンペーンは、始まる前に終わりを告げたぞ」
「ええええ!? 何ですか、それ!」
エミールが、頬を膨らませる。アルベール様は、そんな彼の頭を、くしゃくしゃと撫でた。
「冗談だ。ティリナ行き、ご苦労だったな。早速、記録とやらを見せてくれるか?」
「はい!」
エミールは、キリッと表情を引き締めると、うやうやしくアルベール様に封筒を差し出した。私たち三人は、アルベール様を真ん中にして、並んでソファに腰かけた。
「僕、あらかじめ仕分けておきました。まずこれが、バール男爵の商売の記録です」
エミールが、ある書類を指さす。アルベール様は、手に取って読み始めたが、そのとたん顔色は変わった。
「……何だと?」
「一体、何ですの?」
アルベール様は、信じられないといった様子で首を振った。
「いかがわしい商売だろうとは踏んでいたが、まさか、ここまでやっていたとはな……。男爵は、違法な薬物を貴族らに闇で売りつけていた、とある。媚薬に、麻薬……」
「麻薬!?」
私は、思わず大声を上げていた。このモルフォア王国では、麻薬の使用は、場合によっては死罪に該当する重罪である。
「道理で、財を成したはずだな……。ああ、これは顧客リストか。ずいぶん、大勢……」
アルベール様は、呆れた表情で書類をパラパラめくっていたが、ふとその一枚に目を留めた。私は、不審に思った。
「どうされました?」
「……もしかして僕、お邪魔をしましたか?」
「まったくだ」
仏頂面で、アルベール様が仰る。
「お前のプディング増量キャンペーンは、始まる前に終わりを告げたぞ」
「ええええ!? 何ですか、それ!」
エミールが、頬を膨らませる。アルベール様は、そんな彼の頭を、くしゃくしゃと撫でた。
「冗談だ。ティリナ行き、ご苦労だったな。早速、記録とやらを見せてくれるか?」
「はい!」
エミールは、キリッと表情を引き締めると、うやうやしくアルベール様に封筒を差し出した。私たち三人は、アルベール様を真ん中にして、並んでソファに腰かけた。
「僕、あらかじめ仕分けておきました。まずこれが、バール男爵の商売の記録です」
エミールが、ある書類を指さす。アルベール様は、手に取って読み始めたが、そのとたん顔色は変わった。
「……何だと?」
「一体、何ですの?」
アルベール様は、信じられないといった様子で首を振った。
「いかがわしい商売だろうとは踏んでいたが、まさか、ここまでやっていたとはな……。男爵は、違法な薬物を貴族らに闇で売りつけていた、とある。媚薬に、麻薬……」
「麻薬!?」
私は、思わず大声を上げていた。このモルフォア王国では、麻薬の使用は、場合によっては死罪に該当する重罪である。
「道理で、財を成したはずだな……。ああ、これは顧客リストか。ずいぶん、大勢……」
アルベール様は、呆れた表情で書類をパラパラめくっていたが、ふとその一枚に目を留めた。私は、不審に思った。
「どうされました?」