人肉病
食べてしまう
それから私達は寄り添うように座って少しの間眠ってしまったようだった。
全身に疲れが蓄積されていて、少し休息が必要だったんだろう。
目を覚ましたときには太陽が傾き始めていて、街の色合いが変わっていた。


「もう夕方か」


時計を確認して圭太が呟く。
時刻は5時前を差していた。
いつもなら授業が終わって帰る時間帯だ。
2人して窓の外を確認してみると、グラウンドにいる自衛隊員の姿が少し減っているような気がした。


「自衛隊員たちも休憩や交代をしなきゃいけないからな……」


もはや自衛隊にどんな意味があるのかもわからない状況だ。
けれど、入り口には相変わらず銃を持った自衛隊員たちが待機している。


「もしかしたら、中の状況を報告するためにいるのかもしれないね」


感染は全く収まる様子を見せない。
このままでは自衛隊たちにだって感染のリスクがあるはずだ。
それでも建物から離れないのは、状況を上層部に報告する義務でもあるからかもしれない。


「それにしても、学校内が静かだよね」
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