私の担当医。~2~

海斗の部屋で待ってるとすぐに海斗が迎えにきた
もう腹を括るしかない。

「すず、お待たせ。
行こうか」

海斗の後をついていくと
綺麗な大きい部屋に着いた。

「奥ちゃん!」

海斗が部屋の中に声をかけた

「はいはい!」

男の若い看護師さんが出てきた。

真由さんや翔太くんのスクラブ姿は慣れたけど知らない人だと少し怖い


「こないだ話したすず。
ちょっと手強いけど本当は頑張り屋さんなんだ。よろしく頼む」

「もちろんですよ

はじめまして、奥田 光(おくだ ひかる)です。透析室では北村さんの担当します。よろしくお願いします。」

「...」

私は顔を見れず
海斗の後ろに隠れた。

「すず、挨拶は?」

「...」

敵なのか味方なのかわからないのに
挨拶なんかできるわけない。

「ごめん、奥ちゃん。
慣れるまでは勘弁してやって」

「ははっ、大丈夫っす!
1番奥の部屋とってるんですけどいいっすか?」

「うん、すず行くぞ」

海斗に手を引かれて
透析室に入った。

朝1番ってこともあってか
まだ誰もいなかったが
機械がいっぱいで初めての光景だった。

「ここの部屋でいいですか?」

入院してた時の部屋と同じで
ベッドごとにカーテンで区切られてる。
違うのばベッドの数。
ざっと数えただけでも20個はベッドがある。


「すずここに寝て。」

いざ透析されると思うと震えが止まらなくて
動けなくなった。
フラフラしてその場に座り込んだ

「大丈夫だから、今日は隣に俺いるようにするから」

「...」

そういう問題じゃないよ
ドキドキが止まらない。
やっぱり透析なんてできない

「よいしょ」


「ちょっと...」


しゃがんでる私を抱き上げてベッドに乗せられた。

「頑張ろう。すずならできる。俺は信じてる」

「ずっとそばにいてくれるなら...」

「うん、今日はずっといる。」

「...やる」


「よし賢い。

奥ちゃん、準備しよう
すずがやる気になってるうちにやってしまおう」

「はい。」

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