春色ドロップス
「ファーーーーーー。」 眠そうな顔で教室に入る。
「どうしたんだよ? 欠伸なんかしちゃって。」 「あんまり寝れなかったんだ。」
「分かった。 つかさちゃんといいことしてる夢を見たのね?」 「そうかもなあ。」
「うわ、彩葉が居るのに浮気してやんんのーーーーー 「ええやんか。 ほっといたれよ。」
「ところがどっこい。 そうはいかないのよねえ。 学級委員である以上は。」 「お前関係無いんだけど。」
勉がジロリト睨む。 「ああ、怖い怖い。 勉様に睨まれたらこれほど怖い物は無いなあ。」
「何言ってんだ お前?」 「まあいいじゃんいいじゃん。」
そんなクラスももう一か月が過ぎようとしているんだ。 しかしまあ校長先生は思ったより厳しそうだね。
そんな一日が終わって今日も帰りの電車の中。 明日からはgwの長い休み。
ぼんやりしているとスマホが鳴った。 「何だろう?」
取り出して見てみるとメールだった。 彩葉かららしい。
『gwに入っちゃうねえ。 健太君は何か予定は有るのかな?』
『これといって予定は無いよ。 母さんたちも忙しいし、、、。』
『そっか。 遊びに来ない?』
『そうだねえ。 たまにはゲームにも嵌りたいし。』
『分かった。 押し入れからゲームを出して待ってるよ。』
そうそう、ダイヤモンドゲームとかオセロとかいろいろやったよなあ。 懐かしい。
まだまだ太陽アレルギーがはっきりする前からぼくらは仲良しだった。 ぼくはいつも彩葉の部屋で遊んでいた。
小学校から帰ってきてそのまま彩葉の家へ行く。 そして母さんが電話を掛けてくるまで遊んでいる。
オセロだ ダイヤモンドだ、人生ゲームだって彩葉といつも遊んでいた。 勝っても負けてもぼくらは楽しかった。
彩葉のお母さんも何も言わずにぼくらを見守っていてくれた。 有り難かったなあ。
お父さんがやっている雑貨屋 パンプキンは彩葉が生まれる前からこの場所だった。 お父さんたちも高校が同じだったんだって。
だからぼくが彩葉と遊ぶようになると「あんたたちは仲がいいねえ。 将来結婚するのかい?」ってよく聞いてきたもんだ。
休みの日になると彩葉もぼくの家に遊びに来た。 そして二人で昼寝をしたっけなあ。
アレルギーがはっきりしてからはあんまり外で遊ばなくなったんだけどそれでも夕方からぼくの家に来て遊んでたっけ。
つかさたちは離れてるからさあ、時々しか来れなかったけど、、、。 でも高校生になったんだから、、、。
これからは折原さんだって遊びに来てくれる。 ミナッチだって話を聞いてくれる。
彩葉も少しずつ環境が変わっていく。 これからなんだな、、、、、、、ぼくはそう思った。
翌三日、昼食を食べてからぼくは家を出た。 彩葉とゲームをする約束をしたから。
「こんにちはーーーー。」 「はーーーい。」
お母さんの元気な声が聞こえる。 「灰原君ね? 上がっていいわよ。」
「ありがとうございまあす。」 階段を上がっていくと話し声が聞こえる。
「え?」 部屋の前に立ってみる。
「そうなんです。 灰原君にはいつもいつも支えてもらってました。」 「そっか。 だから私にも話してくれたんだね。」
(ミナッチが来てるじゃん。) ドアの前でぼくは思わず緊張してしまった。
「ごめん。 お手洗い借りるね。」 「あっどうぞ。」
そう言ってミナッチがドアを開けた。 「あらあら、灰原君も来たのね?」
「そうです。 休みだから。」 「そっか。 ゲームするってよ。」
「はーい。」 ミナッチが階段を下りていくのを見届けてから中に入る。
「驚いたでしょう? 今朝、メールが来てさ。」 「そうなんだね。」
「話したいって言うからどうぞって言っておいたのよ。」 「ミナッチも面白い人だからねえ。」
「そうだねえ。 お転婆だなって思ったけど、、、。」 「確かにお転婆だ。 スッ転んだり棚に突っ込んだりよくするから。」
「へえ、そうなんだ。」 「お待たせ。 ありがとね。」
そこへミナッチが戻ってきた。 「ゲームは何するのかなあ?」
「生き残りゲームをしようかなって、、、。」 「生き残りゲーム? ジャングルにでも行くの?」
「あのーーーーー、これなんですけど、、、。」 彩葉は躊躇いながらゲーム盤を出してきた。
生き残りゲームってレバーを動かしながら自分のボールを落とさないように相手のボールを落としていくゲームだよね?
「ミナッチさあ、どっからジャングルの発想が?」 「生き残りって言うからさあ、サバイバルゲームかと思って。」
確かにミナッチも昭和最後の世代。 ゲーセンが異常なくらいに盛り上がり始めた頃の生まれ。
ボードゲームは廃れ始めていた。 オセロやマージャンはまだまだ活気が有ったけど、、、。
神経衰弱ゲームなんてのも有ったよなあ。 国旗を合わせていくやつ。
「よしよし。 赤は彩葉ちゃんね。 んで白が灰原君。 青は私。 さあ始めよう。」 ミナッチはぼくらの動きをじっと見詰めている。
なんか、その眼が怖いんだけどなあ。 「やられたあ。 落ちた。」
「じゃあ私はこれを、、、。」 「ゲ、落とされた。」
「よしよし。 じゃあ私は、、、。 うっそーーーーー、落ちちゃったあ。」 ミナッチはだんだんとヒートアップしてくる。
「じゃあぼくはこれだ。」 「またやられたわ。 悔しい。」
そう言いながら彩葉がレバーを押すと、、、。 「ゲ、みんな落ちた。 全滅じゃん。」
「後は女同士の戦いね? 彩葉ちゃん。」 「そうですねえ。 負けないわ。」
んで結局はミナッチが一つだけボールを残して勝ったのでありました。 「すごいなあ 二人とも。」
「すごくないよ。 つかさなんかにはぼくでも勝てないから。」 「そうなのかなあ? みんなオタクに見えるけど、、、。」
「どうなんだろうなあ? 馬宮たちならもろオタクだと思うけど、、、。」 「そういえばさあ馬宮君って最近見ないよね?」
「今週は謹慎中なんだ。 騒ぎ過ぎるから校長にお灸を据えられたらしくて。」 「あらま、可愛そうに。」
ぼくらが話していると彩葉がジュースを持ってきた。 「先生も飲むでしょう?」
「そうね。 喉乾いちゃった。」 メロンソーダを三人で飲んでいる。
店のほうから声が聞こえる。 今日もお客さんはたくさん来てるらしい。
「彩葉ーーーーーーーー。 つかさちゃんも来たよーーーーーーー。」 お母さんの大きな声が聞こえた。
「つかさも来たって。」 「そうみたいねえ。 仲良しなんだねえ。」
ミナッチはジュースを飲みながら窓の外に目をやった。 白い雲が気持ち良さそうに流れていくのが見える。
「こんちゃ。 あらあら、ミナッチも来てたの?」 「そうなのよ。 急に会いたくなって来ちゃった。」
「賑やかだなあ。 四人も集まることって無いもんねえ。」 「そうよねえ。 一人か二人来ることは多いけど、、、。」
「これで勉まで来たら入らないな。」 「さあてゲームの第二回戦はどうする?」
「そうだなあ。 ダイヤモンドやろうよ。 久しぶりに。」 「でもあれって三人だよね?」
「一人は審判すればいいじゃない。」 「そうだね。」
ということで赤黄緑の駒を持っていざスタート。 審判はミナッチです。
「そう来たか。」 「じゃあこうするわ。」
「ひどいなあ。 邪魔ばっかして。」 「こっちのほうがいいかもなあ。」
「ああ、待て待て。 そこを塞がれたら、、、。」 「盛り上がってるわねえ。」
人知取りのダイヤモンドも嵌るとすんげえ面白いんだ。 たまに喧嘩したくなるけどね。
「あらあら先生は審判なの?」 お母さんがお菓子を持って入ってきた。
「そうなんです。 次は女の子対決だから。」 「ブ、、、。」
「ミナッチ、笑わせないでよ。」 「何で?」
「分かってないならいいわ。」 「そう、、、。」
「どうしたんだよ? 欠伸なんかしちゃって。」 「あんまり寝れなかったんだ。」
「分かった。 つかさちゃんといいことしてる夢を見たのね?」 「そうかもなあ。」
「うわ、彩葉が居るのに浮気してやんんのーーーーー 「ええやんか。 ほっといたれよ。」
「ところがどっこい。 そうはいかないのよねえ。 学級委員である以上は。」 「お前関係無いんだけど。」
勉がジロリト睨む。 「ああ、怖い怖い。 勉様に睨まれたらこれほど怖い物は無いなあ。」
「何言ってんだ お前?」 「まあいいじゃんいいじゃん。」
そんなクラスももう一か月が過ぎようとしているんだ。 しかしまあ校長先生は思ったより厳しそうだね。
そんな一日が終わって今日も帰りの電車の中。 明日からはgwの長い休み。
ぼんやりしているとスマホが鳴った。 「何だろう?」
取り出して見てみるとメールだった。 彩葉かららしい。
『gwに入っちゃうねえ。 健太君は何か予定は有るのかな?』
『これといって予定は無いよ。 母さんたちも忙しいし、、、。』
『そっか。 遊びに来ない?』
『そうだねえ。 たまにはゲームにも嵌りたいし。』
『分かった。 押し入れからゲームを出して待ってるよ。』
そうそう、ダイヤモンドゲームとかオセロとかいろいろやったよなあ。 懐かしい。
まだまだ太陽アレルギーがはっきりする前からぼくらは仲良しだった。 ぼくはいつも彩葉の部屋で遊んでいた。
小学校から帰ってきてそのまま彩葉の家へ行く。 そして母さんが電話を掛けてくるまで遊んでいる。
オセロだ ダイヤモンドだ、人生ゲームだって彩葉といつも遊んでいた。 勝っても負けてもぼくらは楽しかった。
彩葉のお母さんも何も言わずにぼくらを見守っていてくれた。 有り難かったなあ。
お父さんがやっている雑貨屋 パンプキンは彩葉が生まれる前からこの場所だった。 お父さんたちも高校が同じだったんだって。
だからぼくが彩葉と遊ぶようになると「あんたたちは仲がいいねえ。 将来結婚するのかい?」ってよく聞いてきたもんだ。
休みの日になると彩葉もぼくの家に遊びに来た。 そして二人で昼寝をしたっけなあ。
アレルギーがはっきりしてからはあんまり外で遊ばなくなったんだけどそれでも夕方からぼくの家に来て遊んでたっけ。
つかさたちは離れてるからさあ、時々しか来れなかったけど、、、。 でも高校生になったんだから、、、。
これからは折原さんだって遊びに来てくれる。 ミナッチだって話を聞いてくれる。
彩葉も少しずつ環境が変わっていく。 これからなんだな、、、、、、、ぼくはそう思った。
翌三日、昼食を食べてからぼくは家を出た。 彩葉とゲームをする約束をしたから。
「こんにちはーーーー。」 「はーーーい。」
お母さんの元気な声が聞こえる。 「灰原君ね? 上がっていいわよ。」
「ありがとうございまあす。」 階段を上がっていくと話し声が聞こえる。
「え?」 部屋の前に立ってみる。
「そうなんです。 灰原君にはいつもいつも支えてもらってました。」 「そっか。 だから私にも話してくれたんだね。」
(ミナッチが来てるじゃん。) ドアの前でぼくは思わず緊張してしまった。
「ごめん。 お手洗い借りるね。」 「あっどうぞ。」
そう言ってミナッチがドアを開けた。 「あらあら、灰原君も来たのね?」
「そうです。 休みだから。」 「そっか。 ゲームするってよ。」
「はーい。」 ミナッチが階段を下りていくのを見届けてから中に入る。
「驚いたでしょう? 今朝、メールが来てさ。」 「そうなんだね。」
「話したいって言うからどうぞって言っておいたのよ。」 「ミナッチも面白い人だからねえ。」
「そうだねえ。 お転婆だなって思ったけど、、、。」 「確かにお転婆だ。 スッ転んだり棚に突っ込んだりよくするから。」
「へえ、そうなんだ。」 「お待たせ。 ありがとね。」
そこへミナッチが戻ってきた。 「ゲームは何するのかなあ?」
「生き残りゲームをしようかなって、、、。」 「生き残りゲーム? ジャングルにでも行くの?」
「あのーーーーー、これなんですけど、、、。」 彩葉は躊躇いながらゲーム盤を出してきた。
生き残りゲームってレバーを動かしながら自分のボールを落とさないように相手のボールを落としていくゲームだよね?
「ミナッチさあ、どっからジャングルの発想が?」 「生き残りって言うからさあ、サバイバルゲームかと思って。」
確かにミナッチも昭和最後の世代。 ゲーセンが異常なくらいに盛り上がり始めた頃の生まれ。
ボードゲームは廃れ始めていた。 オセロやマージャンはまだまだ活気が有ったけど、、、。
神経衰弱ゲームなんてのも有ったよなあ。 国旗を合わせていくやつ。
「よしよし。 赤は彩葉ちゃんね。 んで白が灰原君。 青は私。 さあ始めよう。」 ミナッチはぼくらの動きをじっと見詰めている。
なんか、その眼が怖いんだけどなあ。 「やられたあ。 落ちた。」
「じゃあ私はこれを、、、。」 「ゲ、落とされた。」
「よしよし。 じゃあ私は、、、。 うっそーーーーー、落ちちゃったあ。」 ミナッチはだんだんとヒートアップしてくる。
「じゃあぼくはこれだ。」 「またやられたわ。 悔しい。」
そう言いながら彩葉がレバーを押すと、、、。 「ゲ、みんな落ちた。 全滅じゃん。」
「後は女同士の戦いね? 彩葉ちゃん。」 「そうですねえ。 負けないわ。」
んで結局はミナッチが一つだけボールを残して勝ったのでありました。 「すごいなあ 二人とも。」
「すごくないよ。 つかさなんかにはぼくでも勝てないから。」 「そうなのかなあ? みんなオタクに見えるけど、、、。」
「どうなんだろうなあ? 馬宮たちならもろオタクだと思うけど、、、。」 「そういえばさあ馬宮君って最近見ないよね?」
「今週は謹慎中なんだ。 騒ぎ過ぎるから校長にお灸を据えられたらしくて。」 「あらま、可愛そうに。」
ぼくらが話していると彩葉がジュースを持ってきた。 「先生も飲むでしょう?」
「そうね。 喉乾いちゃった。」 メロンソーダを三人で飲んでいる。
店のほうから声が聞こえる。 今日もお客さんはたくさん来てるらしい。
「彩葉ーーーーーーーー。 つかさちゃんも来たよーーーーーーー。」 お母さんの大きな声が聞こえた。
「つかさも来たって。」 「そうみたいねえ。 仲良しなんだねえ。」
ミナッチはジュースを飲みながら窓の外に目をやった。 白い雲が気持ち良さそうに流れていくのが見える。
「こんちゃ。 あらあら、ミナッチも来てたの?」 「そうなのよ。 急に会いたくなって来ちゃった。」
「賑やかだなあ。 四人も集まることって無いもんねえ。」 「そうよねえ。 一人か二人来ることは多いけど、、、。」
「これで勉まで来たら入らないな。」 「さあてゲームの第二回戦はどうする?」
「そうだなあ。 ダイヤモンドやろうよ。 久しぶりに。」 「でもあれって三人だよね?」
「一人は審判すればいいじゃない。」 「そうだね。」
ということで赤黄緑の駒を持っていざスタート。 審判はミナッチです。
「そう来たか。」 「じゃあこうするわ。」
「ひどいなあ。 邪魔ばっかして。」 「こっちのほうがいいかもなあ。」
「ああ、待て待て。 そこを塞がれたら、、、。」 「盛り上がってるわねえ。」
人知取りのダイヤモンドも嵌るとすんげえ面白いんだ。 たまに喧嘩したくなるけどね。
「あらあら先生は審判なの?」 お母さんがお菓子を持って入ってきた。
「そうなんです。 次は女の子対決だから。」 「ブ、、、。」
「ミナッチ、笑わせないでよ。」 「何で?」
「分かってないならいいわ。」 「そう、、、。」