青天、哉。




実のところ、私は潔癖症だ。


ジュースの回し飲みや、鍋を直箸で食べるのとか、家族でもできない。


ましてや、流しそうめん屋さんなんて、考えただけでもゾッとする。


ファミレスに入れば、おしぼりでテーブルを拭く。公衆トイレに行くような人の気持ちが理解できない。


それなのに、頼人の部屋には簡単に、すんなりと入り込み、溶け込めた。


頼人の部屋は決して綺麗とは言えない、いわゆる男の一人暮らしのような部屋だった。


それなのに、何も気にならないから不思議。


私の中の何かが変わったのか、そんなことを許容できるくらい頼人に魅力があったのか。


おそらく、後者なんだと思う。



< 28 / 70 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop