溺愛彼氏★失恋したらチャラ男が一途な本性を現しました

溺愛彼氏  失恋したらチャラ男が一途な本性を現しました



「見てみろよ。青山がまた告られてるぞ」

 放課後、片桐の面白がる声にわたしは肩を竦めた。切ったばかりの襟足がちくちく首を刺激してきて、胸もつられて痛くなる。

「ミユと別れた途端、これだよ? まるで二人が別れるのを待ってたみたいじゃん」

「ーーだとしても関係ない。わたし達はお別れしたんだし、青山君が他の人と付き合おうと自由だから。ほら行こう、覗き見なんて趣味悪いよ」

 窓辺に張り付き、野次馬精神全開の片桐。その茶髪を軽くバッグでこつく。
 すると見るつもりがなくとも青山君が視界に入り、困り顔で相女の子と向き合う姿を映してしまう。

 相手の子のサラサラロングヘアーで大人しそうな雰囲気はわたしとは正反対だ。

 まぁ、そもそも青山君みたいな人気者とわたしが付き合えたのが不思議で、交際期間は一ヶ月と短かったけれど幸せだった。
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