夕日のかかやいたるに ── 。

駅での出会い

「やっと授業終わった…」

1日の授業全てが終わったことを告げる鐘が学校中に響く。

「未來、一緒に帰ろ！」

「あ〜、ごめん！今日先約があってさ！」

「そっか…それならしょうがないね！」

「ごめ〜ん！明日帰ろ！」

夕日とはもう帰れないし、未來も今日は用事がある。1人で帰ることになりそうだ。
少し寄り道でもして行こうかな…


「じゃあね、天音！」

「うん、また明日。」

校門を抜け、駅の方へ歩き出す。
駅には学生が多く見えた。

「座れるといいな…」

「あれ、天音じゃん。」

背後から突然声がした。

「夕日…！？彼女さんは…？」

「彼女は逆方向。天音も1人ならさ、一緒に帰ろ。」

「私…は…寄りたいところがあるから…ごめん、」

目を泳がせ咄嗟にそう言い訳をする。

「そーなんだ、じゃあ俺行くわ」

「うん、じゃあね…」

心の奥が訴えかけようにきゅっとなる。

「私も電車に乗らないと。」

電車に足を踏み入れる。