孤独だった君に、僕の全身全霊の愛を…
「え?」

「いや、みんなが言ったんだ。
デスクの上がいつも綺麗になってて、仕事しやすいって!
僕も思ってたんだよね~
綺麗にボールペンが並んでたり、マウスの位置も一定の所に置かれてたりしてたから」

「あ…すみません、勝手に……」

「ううん!
掃除も丁寧だし、感謝してるんだよ!
いつも、ありがとう!」

「……/////」

感謝されたことのない、瑛茉。
思いがけない言葉に、思わず顔を赤くし俯いた。
感動で泣きそうだったから。

「え?ご、ごめんね!
なんか僕、気の障ること……」

「あ…いえ!
お礼なんて言われたことなくて!
嬉しくて!」
真絋を潤んだ目で見上げて微笑んだ。

「……/////」

潤んだ目の瑛茉の笑顔が、あまりにも綺麗で………
真絋の胸が、ドクンと跳ねる。

無意識に、瑛茉の左頬に触れていた。

もっと、ちゃんと顔が見たい━━━━━

左側の前髪を払おうとすると……

「え……あ、あの…/////」
恥ずかしそうに瑛茉が、少し後ずさった。

「え?あ、ご、ごめんね!!」
我に返り、真絋はバッと手を離し頭を下げた。

「い、いえ…////
わ、私…行きますね。
お疲れ様でした…!」
瑛茉は掃除道具を拾い、出ようとする。

「あ!ちょっと待って!!」
引き留めようとして、真絋が瑛茉の手を掴み引っ張った。

「え━━━━」
引っ張られた拍子に、瑛茉の髪の毛が揺れて前髪がなびいた。
左目が露になる。

━━━━━━!!!!?

「や!!離してください!!」
おもいきり真絋の手を振り払い、慌てて左目を髪の毛で隠した瑛茉。

真絋に頭を下げ、慌てて駆けていった。


「……………傷…痕…?」
取り残されたような真絋。
ポツリと呟き、考えを巡らせた。

「もしかして、それで片目を前髪で?」

彼女を、傷つけてしまった。
謝らないと!

今日は金曜日。
なので土日を挟んで、月曜日に真絋は仕事終わりに瑛茉が来るのを待った。

しかし来たのは、別の清掃員。
「あ、あの!」

「はい」

「金曜日に掃除に来てた女性は?」

「え?金曜日……
あ!瑛茉のことかな………?
━━━━片浜さんのことですか?」
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