この熱に溺れてしまいたい。


さっきよりもぎゅーっと力が込められて、先輩の髪がときどきかかってくすぐったい。


そのくらいの、近さ。



ぐっと押し返そうとしたけど、私の弱い力では先輩にとっては無いのも同じ。


押し負けて、結局もっと近くなってしまった。



「……小夜ちゃんもくっつきたいんだ」


「いやいや、話を聞いて下さい」


「ん、いーよ……おいで?」


「先輩?」



まったく話が通じない、どうしたものかこのマイペース先輩。


なかなか来ない私にしびれを切らしたのか、先輩からこっちにやって来て。


やっと離れたと思った距離がまた近くなって。



ーーぽす



そんな効果音つきで先輩の胸におさまってしまった私。



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