風が吹いたら、君と世界を変える
風に吹かれて、髪が乱れる。

顔にかかった髪を手で払いながら、私は外を見た。

お母さんと向き合うってどうしたらいいんだろう。

伝えたいことを言って喧嘩すればいいって、大志は言ったけど私の伝えたいことってなんだろう。

お母さんが謝ると、私も自分が病気で生まれたことを謝りたくなる?

違う。

そんなことが言いたいんじゃない。

私が伝えたいのはもっと単純なこと。


「きっとどこかでちゃんと見てて!私も勇気を出すから!」


私は外に向かって宣言した。

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