聖女さまがいっぱい!(聖女ショートショート集)
 別の神官が本を手にする。
 もう一度確認のために本を見ている。

「有るねえ」
 その神官が言った。

 あるんかい!

「このへん、しょっちゅう国ができてはなくなる地域で安定してなかったんだよね。一日しかないね、その国」

「そう、なんだ……」
なんか、切なくなる。

「ホニャララ国の言葉、なんか喋って」
 え、どうしよう。とにかくやりきるしかない。

「ハンニャララ、タンサララ」
「なんて言ったの?」
「わかりません、頭に浮かんだんです。何かの単語かも」

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