BLUE ROSE ー今夜、私を攫ってー
-0- 序章
──それは、何の前触れもなく起こった。
「声を出すな。悪いようにはしないから」
突然、背後から腕をつかまれ声をかけられた。
手に持ったコップが床に落ち、今入れたばかりのメロンソーダが辺りに飛び散る。
目の前に広がる鮮やかな緑色。
次に私の目に入ったのは。
「……っ、」
顔の横に添えられた……ナイフ。
これは一体、どういう状況…………?
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