BLUE ROSE ー今夜、私を攫ってー

直後、ドアが開き誰か降りた気配がして。

体感で数分。
戻ってきたときにはビニール袋の音がした。


……もしかして、コンビニ?


普通、人を誘拐している最中にコンビニに寄る?


一刻も早く目的地に連れて行かなきゃいけないんじゃないの?


ずいぶんと余裕のある誘拐犯たちに違和感を覚えながらも。

そんな疑問もぶつけられるはずもなく、また私は黙って車に揺られていた。




「降りるぞ」


次に車が止まったとき、ようやく私は下ろされた。

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