私の全てを盗んで、愛して

「ねぇ、レディスって名前もどうせ本名じゃないんでしょ?こっそり教えてくださいよ!運命の人の私に」

私は耳を自分からカ彼の口元に寄せた。
しばらく経っても声は聞こえて来なかったので一歩下がった。

「、、、夕凪(ゆうなぎ)」

その瞬間、教えてくれた。

「とてもいい名前ですね!大人っぽくて綺麗な貴方に凄くピッタリです」

そう言うと、彼は耳まで真っ赤にしていた。可愛いなぁと思ったら夕凪は、部屋の隅にある漫画を照れ隠しなのか読み出した。

「え、帰らないんですか?」

聞くと

「もう少し貴方といたいので」

紳士的な返事をした。
ロマンチックな雰囲気作るのがとても上手だ、まぁ漫画読んでるけどね、、
私は少し込み上げてきた笑いを堪えて心の中でそう呟いた。

しばらくすると、夕凪は「帰ります」といって

振り返り

「貴方を落としてみせます、待っていて下さい」

そう言った。
私が次瞬きした瞬間にはもう居なくなっていた。

なんだろうな、彼にものすごく惹かれている自分がいる。
あの容姿だろうか。それともあまり知らない性格?

自覚しちゃダメ。今日ずっと自分に言い聞かせていた。でも夕凪の運命の人が私なら、許されるのかも知れない。

「もう、これ以上好きにさせないで欲しいな」

ボソッと私はそう言った。

明日を楽しみに、ベットに入り深い眠りについた。

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