LE CIEL BRILLANT 〜無職29歳、未経験の仕事に挑戦したらジュエリーデザイナーにこっそり溺愛されてました〜

50 純麗の不安

 今日も空は青かった。

「おはよーございまー」

 洗濯ものがよく乾きそうだ、と清々しい気分で元気よく入ってきた純麗(すみれ)は、

「す」

 最後の「す」だけが妙に小さな声になった。

 中の異様な雰囲気に圧倒されたからだ。

 藍が入社してから、瑠璃の態度が悪くなった。そのせいでギスギスしているな、とは思っていた。

 だが、今日はそれの比ではない。

 闇バイトの強盗怖いわねー、と今日の話題をふるつもりだったのに。

 いっそ店を閉めたほうがいいのでは……。

 朝礼のために集まった人たちの顔をみて、純麗は思う。

 全員が一様にどんよりと暗い。

 何があったの、この人たち。

 特に藍。左頬に湿布を貼っている。

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