LE CIEL BRILLANT 〜無職29歳、未経験の仕事に挑戦したらジュエリーデザイナーにこっそり溺愛されてました〜

65 責任の取り方

 * * *

「探していた。心配したぞ」

 直哉は暴れることはなかったが、瑶煌は手を離さない。

「何も死ぬことはないだろう」

 店まで走って来た瑶煌の息は乱れている。

 先ほどまで息をころしていたせいで、余計に呼吸が荒い。

「責任をとらなくちゃならない」

「こんなこと、責任をとったことにはならない。やり直せばいいだろう。生きてやり直せる」

 生きていれば。

 生きていたからまた藍に会えた。

「お前がやり直してないのに? 店をあきらめてるのに? 俺だけやり直せって?」

 皮肉に笑う直哉。

 瑶煌は言葉につまった。

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