LE CIEL BRILLANT 〜無職29歳、未経験の仕事に挑戦したらジュエリーデザイナーにこっそり溺愛されてました〜

5 店長と二人きり

 片付けが終わると、瑶煌(たまき)瑠璃(るり)に言った。

「コップを買って来てくれないか」

「あなたが買いに行けばいいじゃない」

「こういうのは君のほうがセンスがいい。新人に頼むわけにもいかないだろう?」

 目の前でなされる会話に、藍はへこむ。すみません、と藍は何度も謝った。

「……仕方ないわね」

 瑠璃はそう言い、奥へひっこんだ。バッグを持って戻ると、

「行ってきます」

 瑶煌だけを見て彼女は言った。

「行ってらっしゃい」

 瑶煌は優しい微笑を浮かべる。瑠璃も微笑を返し、店を出ていった。
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