LE CIEL BRILLANT 〜無職29歳、未経験の仕事に挑戦したらジュエリーデザイナーにこっそり溺愛されてました〜

14 店長の電話

 再び寝不足のまま、月曜日の朝を迎えた。

 空には明るい青が広がり、日の光が目に痛い。

 短期間にいろいろ起きすぎじゃないのか、と藍はげんなりしていた。

 目をしぱしぱさせながら、藍は従業員用入り口をくぐる。

 直後の、耳をつんざくような怒鳴り声。藍は驚愕(きょうがく)とともに体を震わせた。眠気がどこかへ飛んでいった。

「だから、俺はあんたの会社は継がないって言ってるだろ!」

 声の主は瑶煌だった。

「今に満足してるんだ。あんたの援助は必要ない。この店は俺の夢だったんだ! 俺の力だけでやる。仕事の依頼なら受けるが、邪魔するなら断る」

 それだけ言ってスマホを切った。

「おはようございます」

 おそるおそる声をかける。

「……おはよう」

 不機嫌を隠そうともせず、瑶煌(たまき)は返した。





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