ＬＥ ＣＩＥＬ ＢＲＩＬＬＡＮＴ 〜無職29歳、未経験の仕事に挑戦したらジュエリーデザイナーにこっそり溺愛されてました〜

１８ 店長の家

　目が覚めたとき、ぼんやりした視界に入って来たのは見覚えのない天井だった。

　あれ、うちの天井ってこんなだっけ。

　藍はそのままぼーっと天井を眺める。

　まだ眠い。

　そういえば、しばらく寝不足が続いていた。仕事先の人が、と思ったところで急に頭が覚醒(かくせい)する。

　仕事！　

　飛び起きてスマホを探す。すぐに枕元に見つかった。その画面に表示された曜日を見て思い出す。

　火曜日、今日は休みだ。

　ホッとしたらようやく周囲の違和に気がついた。

「え、ここどこ」

　見たことのない部屋の知らないベッドで寝ていることにきがついた。

　南向きの部屋、青いカーテン越しに明るい日差しが入ってきている。寝室のようで、ベッド以外にはチェストとクローゼットがあった。フローリングに紺色のスーツと白シャツとキャミソール、ストッキングにブラジャーまで脱ぎ捨てられている。

　慌てて自分の姿を見る。パンツ一枚だった。

　どういうことだろう。

　不安と恐怖で心臓が早鐘を打つ。吐き気までしてくる。