束の間を超えて ~片想いする同僚兼友人に、片想いをした~ 【番外編追加済】
「俺はもう彩子を放してやれないっ。好きでっ、好きでっ、たまらないんだよっ。彩子なしじゃ、もう生きていけないっ。離れたくないっ。ずっと、ずっとそばにいたい」
「ふっ、うぅっ……っ」

 感極まって、洋輔も彩子も涙をボロボロとこぼしている。二人は今、心を裸にして向きあっていた。

「お願いだから、俺のそばにいて? 俺の恋人でいて? 俺を好きになって? お願いっ」
「うっ……よう、すけっ……」
「あやこっ……」
「ふっ……すきっなのっ……うっ……ようすけが、好きっ……うぅっー、ようすけ」

 ようやくもらえた一番欲しかったその言葉に、洋輔はもう自分の感情を抑えられなかった。

 彩子を強く強く抱きしめた。

「彩子っ! 俺もっ、俺も好き! 彩子が好きっ! 彩子だけが好き! おかしくなりそうなくらい好き! 彩子のことを愛してるっ」
「ふっうっ……わた、しも、好き。洋輔を、愛してるっ」
「彩子っ、彩子っ!」


 その日はただただ抱きしめあって眠った。互いのぬくもりを感じるように。
< 211 / 273 >

この作品をシェア

pagetop