束の間を超えて ~片想いする同僚兼友人に、片想いをした~ 【番外編追加済】
「彩子、目、腫れちゃったね。冷やすもの持ってくるよ」

 洋輔は起き上がり、ベッドを離れていこうとする。


「いっちゃやだ……」

 思わず洋輔の服の裾を掴んで、そう口にしていた。

「っ……何これ……かわいすぎるっ」
「……」


 昨日自分の心を全開にしてしまったからだろうか。普段はしないような甘えたことをしてしまった。

 今まで見せたことのない自分を晒してしまって、なんだか不安になってくる。


「そんな顔しないで? 大丈夫。思ったこと言って大丈夫だから。ほら、わかる?」

 洋輔は彩子の手を取ると、その胸に当てさせた。心臓が強く脈打っているのがわかる。

「ドクドク言ってるでしょ? 彩子がかわいいからこうなってるんだよ。大丈夫。何言っても大丈夫だから」

 優しい顔で彩子のことを見つめてくる。それに背中を押されて口を開いた。


「……離れるの、やだ」
「うん、わかった。彩子」

 ちゅっと音を立てて、また額にキスが降ってきた。洋輔はにこにことしている。
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