束の間を超えて ~片想いする同僚兼友人に、片想いをした~ 【番外編追加済】

3. 好きの理由

「……えっと……その……」
「何でも言って?」
「……うん……えっとね……」
「いいよ。ゆっくり。大丈夫。ね」

 洋輔は、彩子を落ち着かせるように、ゆっくり髪を撫でてきた。


「……その……どうして、好きに、なってくれたの?」

 付きあっていくうちに好きになってくれたというのはわかったが、なぜという気持ちがあった。小谷とは見た目も性格も似ていないのに好きになる要素があるのだろうかと不安に思ったのだ。


「え、昨日のでわからなかった?」
「……うーん……」
「そっか、じゃあ、嫌ってくらい教えてあげる」

 その言い方に、彩子は何を言われるのかと身構えた。
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