束の間を超えて ~片想いする同僚兼友人に、片想いをした~ 【番外編追加済】
 普通ならば自分と同じく恋人への贈り物を買いにきていると思うのかもしれないが、彩子はこのとき嫌な予感がしてならなかった。

 なぜなら洋輔がいるその店は彩子の好みとはかけ離れているのだ。そう、どちらかといえば小谷が好みそうなデザインの小物が置かれている。

 それに得てしてこういうときの女の感は当たるのだ。


 彩子は先ほどまでのウキウキとした気持ちが嘘のようにずんと沈んでいくのがわかった。もうその場にいたくなくて、どこにもよらずに帰宅してしまった。


 あれは小谷へのクリスマスプレゼントを選んでいたのだろうか。やはりどこまで行っても小谷だけが彼の特別なのか。

 責める資格などないというのに、そんな考えばかりが浮かんでくる。

 彩子はそんな思考を振り払いたくて、一心不乱に家事をこなしてその日をやり過ごした。
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