束の間を超えて ~片想いする同僚兼友人に、片想いをした~ 【番外編追加済】
 年明け最初の出勤日。彩子は恵美と一緒にランチに出かけた。

「彩子は実家に帰省してたんでしょ?」
「うん。まあ、近いからいつでも帰れるんだけどね。恵美は?」
「私も帰省してたよ。もうさ年末年始は飛行機高いんだよ。出費が……」
「実家遠いと帰省も大変だよね。楽しかった?」
「まあ実家だし、普通だよ。でも、地元の友達に会ったのは楽しかったかな。あ、これお土産」

 恵美の実家は北海道だ。何をもらってもハズレがないから嬉しい。

「やった! ありがとう。恵美がくれるお土産はいっつもおいしいんだよね。私はいつもと同じやつだけど。はい」
「ありがとう。私は好きだよこれ」

 恵美に渡したのは何の変哲もないただのお饅頭だが、恵美はいつも喜んでくれるのだ。
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