青空の向こう
男は不信感丸出しの私の態度に苦笑いを浮かべていた。

そして私に向かって、おいでおいでと手を振り自分の前の椅子を指し示す。

座れと言うことだろう。


「話しぐらい聞いてもらえませんか?コーヒーとケーキはいかが?」

私は男の話には興味はなかった。しかし、『ケーキ』と言う言葉には逆らえなかった。今まで話には聞いた事はあっても、目にした事もなければ、当然食べた事もないのである。

私は努めて冷静を装いつつ、話しだけと自分に言い訳しながら、男の方に歩いていた。
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