青空の向こう
口調が冷たくなるのは仕方がないと思う。

頼み事って言うから話しを聞いたけど、何て非常識な!!
話にならない
私は席を立つ。
「初対面の人に言う話しではないと思いますけど!」

立ち上がった私に男は続けて言った。

「ちょっと事情があってね。非常識なのは分かっているけど仕方がない。僕にはどうしても、都まで婚約者がいるんだ」

「初対面で、どんな人間かわからないのに?」

男は肩をすくめる。

「それは、僕にとって?君にとって?」
私はその言葉にため息がでる。

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