孤高のエリート社長は契約花嫁への愛が溢れて止まらない
 布団が持ち上がり隙間ができた瞬間、伸びてきた手が慣れたようにするりと腰に回った。びくっと体が跳ね、彼がはっとしたように動きを止める。

「……すまん」

 離れていこうとする手を慌てて掴んだ。

「すみません、つい緊張しちゃって」

 彼と目が合わないように俯いたまま、勢いで言い切る。

「大丈夫なんで、いつもと同じようにしてください」

 体を縮めて待っていると、しばらくしてため息が聞こえた。顔を上げると、彼と目が合う。

「そんなガチガチになられると、こちらも身構えるというか」

 瞬時に顔が熱くなる。ひとりで勝手に意識しているみたいで、居たたまれなくなる。

 のそのそと身を起こし顔を伏せた。

「すみません、大丈夫なので、ちょっとだけ待ってください」

 そうだよ、毎日一緒のベッドで寝てるのに、今さら緊張なんて。

 大きく深呼吸をして気持ちを落ち着かせようとするけれど、胸の高鳴りはなかなか止んでくれない。それどころかどんどん激しくなっていく。

 胸の前でギュッと両手を握りしめていたら、ふいに肩を掴まれた。そのままベッドに押し倒され、壱弥さんが覆いかぶさってくる。

「な」

 端正な顔が迫って心臓が一層激しく跳ねた瞬間、脇腹を触られた。

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