花葬
「……そうなんですね……。サトルさん、サトルさんにご事情があったとしても、私は受け入れます。サトルさんのことが私は好きです」そのあと少し沈黙があり、サトルさんはコーヒーを持ち上げ、私も同時にラテをすすった。サトルさんの人生はコーヒーのように苦く、私の人生の苦味などまだまだやわらかいラテのようなものであった。そうして私たちはゆっくりと各々の人生の物語を話し始めた。
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