ねこねこ幼女の愛情ごはん〜異世界でもふもふ達に料理を作ります!〜5
美味しいお肉にバーベキューソースを
「ではエリナ、行ってくる」

「行ってらっしゃい、ルディさん」

 子猫が狼隊長の頭をモフモフモフッと素晴らしい手つきでモフり、それを羨ましがる他の獣人たち(頭を獣化させて、ちゃっかり一列に並んでいた)の素敵な毛並みを「はい、行ってらっしゃい」「今日もがんばってくださいね」と優しい手つきでモフッて、皆を温かな気持ちにさせると、王都警備隊員たちは元気に出勤して行った。

 見送りが終わると、後片付けだ。食器やフライパンを洗うのはミメットの仕事で、エリナは小さな手でテーブルを綺麗に拭き、椅子をきちんと並べた。そして、子猫の体力を心配するキジトラ猫は子猫を椅子に座らせて「食後の甘い物だよ」と口に砂糖菓子を放り込む。育ち盛りの獣人には、たくさんのエネルギーが必要なのだ。

「いい尻尾が生えてくるように、炒ったナッツもお食べ。美味しい木の実は毛並みを良くするんだよ」

「はい、姉さん」

 手慣れた様子で子猫のお世話をするミメットが食器を拭いている間に、子猫は香ばしいナッツをコリコリと食べる。
 エリナくらいの小さな子猫は、本来ならば仕事などせずに遊んで食べて暮らすものなのだ。だが、エリナの料理の才能を封じることはできない。この世界にない料理を次々に考案するエリナは、国の宝と呼ばれている。
 そんなエリナの体調管理をするため、周りの者たちは気を配っているのだ。
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