フォーチュンクッキー
突拍子もない質問に思わず素直に答えてしまった。
するとおじさんは、ぷっと困ったように笑い出す。
「じゃあ、学校サボってるんだ?」
指摘されて気づいた。
しまった、と思い口ごもってるとおじさんは手をヒラヒラさせる。
「いいんだ、別に怒るつもりはないからね」
その言葉にほっとして、思わず笑ってしまう。
ほっこりと笑うこのおじさんに、オレはなぜだか気を許してしまった。
おじさんには一人娘がいること。
奥さんが入院していること。
自営業であること。
他にも聞いたけれど、とにかくオレとはなんの接点もみつからない。
なのに昔から知っているみたいに話すオレたちは、さぞかし不思議な組み合わせだったろう。
「また来るよ」
飲み終わったおじさんはオレに千円札を渡してきた。
急いでレジに向かっておつりを取り出し、しわの多い手のひらに置いた。
「ありがとうございました」
オレが言い終わったと同時に、ドアに向かっていたおじさんが気づいたようにオレのほうにまた戻ってくる。
「これ、お兄さんにあげるよ」
おじさんは花柄の小さな紙袋をオレに渡して去った。
するとおじさんは、ぷっと困ったように笑い出す。
「じゃあ、学校サボってるんだ?」
指摘されて気づいた。
しまった、と思い口ごもってるとおじさんは手をヒラヒラさせる。
「いいんだ、別に怒るつもりはないからね」
その言葉にほっとして、思わず笑ってしまう。
ほっこりと笑うこのおじさんに、オレはなぜだか気を許してしまった。
おじさんには一人娘がいること。
奥さんが入院していること。
自営業であること。
他にも聞いたけれど、とにかくオレとはなんの接点もみつからない。
なのに昔から知っているみたいに話すオレたちは、さぞかし不思議な組み合わせだったろう。
「また来るよ」
飲み終わったおじさんはオレに千円札を渡してきた。
急いでレジに向かっておつりを取り出し、しわの多い手のひらに置いた。
「ありがとうございました」
オレが言い終わったと同時に、ドアに向かっていたおじさんが気づいたようにオレのほうにまた戻ってくる。
「これ、お兄さんにあげるよ」
おじさんは花柄の小さな紙袋をオレに渡して去った。