フォーチュンクッキー
 勉強だけはできるオレは、いつしか逃げるように不登校になった。


ただ出席日数の関係で試験は受けに行くし、足りなさそうならぎりぎりのラインを狙って出席もした。



「おい、チビ助」

 オレの声に反応して、またあの無垢な瞳をオレに向ける。


さっきの妄想からかどこかオレの心臓は変な動きをし始める。



 だーかーらぁっ!!

そうじゃないだろう!?



 なんとか自分を持ち直して、疑問を投げかける。


「し、試験っていつだ?」


 そう、オレの高校でさえ中間試験の時期だ。

中学校だってそう変わるものではないはずなんだ。


 あっと何かに気づくように、学生かばんを引っ張り出して一枚の紙キレを差し出してきた。


そこには中間試験の日程表。


 日付は…。



「ら、来週じゃないか…!」

 オレはガクッとうなだれた。


 確かにチビ助はやる気があるし、要領はよくないけどきちんと理解すれば問題は解けていく。


 だから時間がないって言うのに…。
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