【完結】婚約破棄が破滅への始まりだった~私の本当の幸せって何ですか?~
 しかし、このお店のガラス細工はおそらく先程の店主が一人で手作業で丁寧に作っているであろう、細やかな置物が中心で、その置物はうさぎやねこ、犬などの動物から、靴や花などの身近なもののガラス細工が多い。
 リオネル様は私がガラス細工が昔から好きなのを覚えていてくれて、ここに連れてきてくれたのであろう。

 お店を見て回っていると、リオネル様は店主に何か言って受け取っていた。
 そのままそれを手に私のほうへ近づいて来ると、手に持っていたそれを私に渡す。

「これは?」
「今日誕生日でしょう。よかったら、俺からのプレゼント受け取ってもらえませんか?」

 そう言われて今日が自分の誕生日だということに初めて気づいた。
 ああ、そうだ、今日は誕生日だった……。

 彼から丁寧に包装されたそれを受け取ると、今開けていいかと聞いて許可をとって開ける。
 すると、中からは綺麗なバラの花をモチーフにした髪飾りのようなものが出てくる。

「飾ってもいいですし、もしお嫌でなかったら髪につけていただいても大丈夫です。そのために頑丈に作ってもらいました」

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