【完結】婚約破棄が破滅への始まりだった~私の本当の幸せって何ですか?~
「はい、ですがリオネル様はそれでいいのかどうか」
「あいつなら納得しているはずだ。不安なら明日聞いてみるといい」
「はい……」

 お父様と言葉を交わした後、そのまま私は自室へと向かった。

 自室にあるベッドの上に寝転がって私は天井を見上げながら、今日国王に言われた言葉を脳内で再生しながら考え込む。
 リオネル様の未来を思う気持ちと、自分自身の恋心の間でとても悩んでしまう。
 あれだけ国の為にと言いながら、国の為にと覚悟を決めておきながら、いざとなると好きな人の幸せを考えてしまう。

 自分の気持ちにわがままになっていいのだろうか。
 彼を政略結婚で縛ってしまっていいのだろうか。

 そんな風に思ってしまう。

「──っ!!!!」

 その時、突然視界がぐらりと揺らぎ、そして気づいた時には私の顔のすぐ横にナイフが突き立てられていた。
 誰かに馬乗りになられていると気がついたのはそのあとで、そしてそれは自分で力づくで抜け出せないことから男なんだと知る。
 叫んで助けを呼ぼうとしているが、口を手か何かで塞がれており全く部屋の外に届かない。

 助けて……!!

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