【完結】婚約破棄が破滅への始まりだった~私の本当の幸せって何ですか?~
 卒業したら正式に結婚の準備を進める予定だった。
 だけど、そううまくはいかなくて、ディオン様が変わってしまったのは今年の夏頃だった。

 王立学園は爵位や国の決めた階級わけに従って、クラス分けがなされている。
 つまり、王族に近い者、親類や国の重要職の子息や令嬢はAクラス、そしてそこからBクラス、Cクラスとランクが下がっていく。
 私とディオン様はもちろんAクラスだったのだけど、クロード伯爵令嬢はBクラス。
 これは私の予想だけど、教室が隣でもない校舎自体が分かれているBクラスのクロード伯爵令嬢がディオン様に会えたのは年に一度あるダンスパーティーがあったから。
 国の利益向上のため、各貴族の親交を深めるために、爵位など関係なくこのパーティーが催されるので、そこで出会ったに違いない。
 実際に今年のパーティーはいつも通り最初こそディオン様は私をエスコートしてくださったけど、少しの間いない瞬間があった。

 きっとその瞬間こそに出会ったに違いない。
 クロード伯爵令嬢は皆が口をそろえて「可愛い」と言う美貌の持ち主。
 ディオン様もそんな彼女に惹かれるのも無理ないかもしれない。

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