ワインとチーズとバレエと教授


亮二が帰宅したあと、
理緒がようやくトゥシューズの
許可が出たと伝えると
亮二は、自分のことのように
大喜びした。

「理緒は一生懸命
頑張ったもんな!
いよいよトウシューズか!
もうバレリーナだな」

亮二は顔をほころばせた。

「そんな…
まだまだこれからです。
ようやくトゥシューズに
なったばかりですから…
それで、これを買うように
言われたのですが…」

理緒は申し訳なさそうに
トウシューズの
パンフレットを亮二に見せた。

「買ってきなよ」

と、亮二は、あっさり言ってくれた。

「でも、先生が、何度も
自分に合うトウシューズを
買い換えなきゃいけないと
言っていたのだけど、お金…」

「それは気にしなくていい、
大丈夫だよ」

亮二は微笑んだ。

亮二は、やっぱり、理緒に
バレエをやらせて本当に良かったと思った。
自分も医者だし、年収はそこそこある。
理緒のバレエ代なんて、大した金額ではない。

「この子は伸びる子だー」

そう確信した自分も
間違っていなかった。

理緒には、
やっぱり才能がある。
亮二はそう確信していた
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