ワケありモテ男子をかくまうことになりました。
あの幼い女の子は私で、そして、男の子は。
───十一年前に交通事故で亡くなった、私のお兄ちゃんだった。
❥❥❥
【凛大side】
ゆいのことは誰よりもよく知っている。
何せ幼稚園からずっと一緒の幼馴染なんだから。
今までは当たり前のようにそう思ってきた。
けど、最近はゆいのことが分からないということが増えている。
ふとした時に心ここにあらずといった表情をするゆい。
自分は恋愛しちゃいけないんだと、つらそうな表情で言ったゆい。
俺からの告白なんていつもだったら軽く受け流すだけなのに、前は違った。
はっきりと、境界線を引かれた気がしたんだ。
「凛大、次移動教室だよ」
六時間目を受け終えて、力尽きて机に突っ伏していた俺の肩を誰かが揺さぶる。
目をこすり、声をかけてきた人物に視線を向けると、そこにはゆいがいた。
「……あ、ゆい」
「ほら行くよ。あと一時間で学校終わるんだから、しゃっきりしなさい!」
そう言ってゆいは俺の背中をバシンと叩いた。
「痛ってぇ……!! ちょっとゆい〜、もっと俺に優しくしてよお」
背中がヒリヒリと痛むのを感じながら、俺は席を立ってすたすたと歩いていくゆいの後を追った。
校舎一階にある特別教室では、既に沢山の生徒で賑わっていた。