芸能人と恋愛しちゃいます!?

プロローグ

わたしは名波花織。中学二年生。
女優志望で、lemonという事務所に所属している。
「花織ー! オーディションの順番、もうすぐよー!」
「はあい。」
わたしはいま、オーディションを受けにきている。
ああ、緊張しちゃう……っ!
ちなみに、さっきわたしを呼んだのは藤木さん。
わたしのマネージャーで、二児の母。と言っても、子供はどちらも成人しているけれど。
今日のオーディションで演じるのは「ロミオとジュリエット」。
できるかな……。
––––ううん、できるよ。いままで、がんばってきたもん……!
「十二番、名波さん、どうぞ。」
「は、はい。」
行ってきます。
わたしは、小声で藤木さんに伝えた。
行ってらっしゃい。
と言う声が、かすかに聞こえた––––。
はじめは面接。
質問に淡々と答えていった。
そして、本日のメイン。
演技、に入っていく。
スゥー、ハァーッ。
大きく深呼吸をしたあと。
「お願いします。」
わたしはそう言った。
そして。

「ああ、ロミオ様‼︎ ロミオ様‼︎ あなたはどうして、ロミオ様でいらっしゃいますの?」

みんなのココロを震わせたい……!
その一心で、わたしは、演技を終えた。

結果は、その一週間後に発表される。
はじめてのオーディション。
その結果は。

『今回は、ご縁がなかったということで––––。』

––––見事に、惨敗だった。
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