冷徹エリート御曹司の独占欲に火がついて最愛妻になりました
「ネット記事読んだんだ?」

「………はい…」
茉白は観念したように返事をした。

「この間ちょうどメアクロの話題になったタイミングの記事だから、読んだら信じるだろうとは思ったけど。あんなの嘘だから。」

「え…?」

「メアクロのリリーは米良の婚約者だ。」

「え!?」

「あの記事に書かれてたレストランには米良もいて、結婚に関連するスケジュールの相談を受けてたんだ。なのにあんな風に書かれて、今米良の機嫌がめちゃくちゃ悪くて迷惑してるんだよね。」

「………」

「昨日から記事の削除要請とか、関係する人に連絡したり、リリーのメンタルのフォローとか言って奔走してる。いつもは俺のゴシップ記事が出ても放置してるくせに。」

「そう…だったんですか…」
茉白は全身から力が抜けるのを感じた。

「あの記事のせいで元気がなかった?」
茉白のホッとしたような表情を見て、遙斗が聞いた。

「そ…そういうわけでは…」

茉白は否定しようとするが、赤面してしまい口籠る。

「…素直じゃないな…」
遙斗は小さくつぶやいた。

「そうだ、あ、あのっ」

茉白は話題を変えるようにバッグを開けると、商品のサンプルを取り出した。
< 47 / 136 >

この作品をシェア

pagetop