天使の受難 アレクサンドラとグルシア(魔法の恋の行方・シリーズ10)
「あれは・・
アレクサンドラを傷つけないための、緊急避難的な措置だが・・」

グルシアは咳払いをして、白い手袋を握りしめた。

「式が終わったら、アレクサンドラとワイナリーと酒蔵巡りをする。
もう、俺が触れても問題ないからな」

「正式にウルシバラ先生の奥さんとして、イチャイチャできるわけだ」

ちゃかすようにサリエルは言い、
ふたつのリングの乗った小さなクッションを掲げた。

「ところで、サンドラちゃんの介添えって、魔女の師匠がするんだけど・・」

サリエルは、声をひそめた。

「その師匠先生、昔、長老の彼女だったらしい。
極秘情報だけどね」

司祭役の長老が、中央の一段高い場所に進み出た。

ハンドベルが美しい音色を立てて鳴り響き、正面の入り口が開いた。

「新婦、ご入場です」

外の陽ざしがまぶしく、逆光の中、魔女が純白のウェディングドレス姿で立っている。

手には、大きな百合のブーケ。

グルシアは、光の中の魔女を見つめた。

これは無害化・・ではない、幸福の始まりなのだ。

おわり

この続きがあります。
次は、サリエルと大魔女リリカの「恋の呪い」のお話になります。
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