イケメン弁護士は再会した許嫁に愛を囁く~お前は俺のもの

 「早見って面白いな。ちょっと抜けていて心配になるときもあるけど、しゃべると結構ちゃきちゃきしてんだよな。お前といると楽しいよ」

 実はよく言われる。やっぱり、たまにぼうっとして話を聞いていなかったりして、返事が的外れだったりする。そういうところはママに似ていると自分でも思うんだ。

 高校時代からの親友の美紀がこの会社を第一志望にして合格していた。彼女は情報システム部にいるのだ。おじいさまに説得されて、他の会社の内定を蹴ってここへ入社させてもらったとき、美紀がいるからいいかと思って入社した。

 お互い研修までは一緒にいたが、正式配属となってからはバタバタしていてなかなか会えない。入社してもうすぐ一年になろうとしていたので頑張ってきたお祝いをしようと今夜は約束していた。
 
 「カンパーイ!」

 「茜、海斗君との生活はどう?」

 「ねえ。どうしてその聞き方?私、一緒に住んでないから……」

 正直もうすぐ一年になろうというのに、全然接点がない。初日に言ってた通り、しばらくすると仙台で実習が始まって、行ったり来たりの生活だった。
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