イケメン弁護士は再会した許嫁に愛を囁く～お前は俺のもの

　とりあえず、本当に仕事が忙しいのか確認しようと思った。

　茜の会社の会長ももちろんよく知っているが、その辺の連中に聞いたところで大騒ぎするだけだ。

　ここは、茜の親友で同じ会社に入った相良さんへ聞くのが一番いいだろうと思い至った。彼女のことは高校時代に茜と一緒にいて男に絡まれていたところを助けたことがある。

　実は、茜が絡まれたというより、相良さんが絡まれたという方が正しかったようだ。彼女は美人で、男に追いかけられて困っていると俺にその時言っていた。昔の連絡先で返事が来た。

　「お久しぶりです。お元気でしたか？茜から聞いてます。驚きましたよ、やりますね、海斗さん」

　彼女も元気そうだ。

　「実は聞きたいことがあって電話させてもらったんだ。茜のことなんだけど……」

　「それはそうでしょうね。それ以外私に聞く事なんてないですもん」

　「……ごめん」

　「何謝ってんですか？あ、最近茜元気ないですよね。そのことでしょ？」

　「元気ないのか？身体の具合でも悪いのか？」

　「ちょっと、海斗さん。隣に住んでてそんなこと私に聞くの？」