不穏ラジオ−この番組ではみんなの秘密を暴露します−
風翔は私が情報を提供したと考えているみたいだけれど、そんなことをするはずがなかった。
なにせ風翔にはまだまだ動いてもらうつもりでいたのだから。
それについては風翔もわかっているようで、視線を先生へ戻した。


「今朝、公園で目撃証言があったんだ。今警察が来てる」


小高先生が手短に説明する。
まさかあの場所にいたのが私だけじゃなかったなんて迂闊だった。

でも、アパートが立ち並んでいるあの区画でなら、誰が見ていてもおかしくはなかったんだ。
私は親指の爪を強く噛んだ。
せっかく使えるコマをひとつ増やせたと思ったのに、もう使い物にならなくなってしまった。


「とにかく、行きましょう」


風翔の右に飯田先生、左側に小高先生が立ち、まるで囚われた小人のように連れて行かれる風翔。
私はその後姿を見送り、舌打ちをしたのだった。
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