不穏ラジオ−この番組ではみんなの秘密を暴露します−
脅す
翌日の2年A組の教室内。
私はこっそり中西留伊の動向を探っていた。

留伊は教室内ではあまり騒がないタイプだけれど、その見た目と優の彼氏ということで座っているだけで威圧感が大きかった。
誰も留伊に反発する様子は見られない。


「留伊~」


休憩時間になると優が甘ったるい声で留伊に近づいていく。
留伊もまんざらではない様子で優を受け入れている。
そこだけ春が訪れたような甘い空間になり、私は奥歯を噛み締めた。

教室内でベタベタしてんじゃねぇよ、脳筋野郎と雌ブタが!
内心そう罵って舌打ちをする。
朝から見たくもないものを見せられている気分だ。
他人のイチャイチャんなんかに興味はない。

けれど優の取り巻きたちは「いいなぁ」「羨ましい」とささやきあっている。
私はその言葉に目をむいた。
本気でそんなことを思ってるんだろうか。

あんなごつい彼氏のどこかいいんだろう。
挙げ句、留伊は後輩イジメという最悪な行為をしている男だ。
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