ヴァンパイアは自分の親友である妹を離さない
第1章
☆    ☆    ☆
 

『ゔぁんぱいあ?』

『そう、ヴァンパイア。彼らは都市伝説の類じゃない。実際に存在してるんだ。ヴァンパイアたちは人の血を吸って生きてるんだよ』


『しーちゃんも食べられちゃうの?』

『大丈夫。紫音のことは僕が守るから』


『なら、つばさお兄ちゃんのことはしーちゃんが守るよ!』

『ありがとう、紫音』



「翼、お兄ちゃん……。!!!」


夢を見ていた。懐かしい、小さい頃の記憶。


私は知らない天井で目を覚ました。


あれ?ここってどこだっけ。

そもそも私、なんで眠ってたの?


「目が覚めたか。俺から吸血されたのがそんなに嫌だったのか?」


「吸、血…?あ……」


眠気が覚めてくると同時に思い出すのはさっきのこと。


そういえば…私、夜桜先輩に血を吸われたんだった!


「俺だって女の血を吸うなんて吐き気がする。
だが、あの時お前が翼のフリをしなきゃお前は寮を追い出されてたんだぞ」 

 
「それについては感謝してます。けど、翼お兄ちゃんに今までこんなことを?翼お兄ちゃんが身体弱いことを知って……っ」


そうだ。夜桜先輩は知らなかった。

翼お兄ちゃんは夜桜先輩がヴァンパイアだと気付いていたんだ。
それに、女が嫌いだってことも。


だから身体が弱いことを隠して、血を吸わせていた。だとしたら納得がいく。


吸血されすぎて翼お兄ちゃんは…。
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