ヴァンパイアは自分の親友である妹を離さない
「あれから白虎になにかされてないか?」


「夜桜先輩も知ってるとおり、白虎先輩は私の前に姿を現してないどころか…」


あの日以来、白虎先輩を見ていない。

同じクラスだったはずなのに誰1人として白虎先輩を覚えてる人はいなくて。


ここまで何も無いと逆に不安になる。またあの時みたいに襲われそうになったりしたら…。


「紫音、大丈夫だ。俺はお前の側にずっといるから。
お前を守ってやるから安心しろ」


「夜桜先輩、ありがとうございます」


だけど、狙われるのは私だけじゃない。

夜桜先輩だって、白虎先輩にとってはターゲットだ。だって、ヴァンパイアであることをまわりに隠してる。


白虎先輩をそのことを知ってる敵なんだから。

私たちは秘密という名の爆弾を抱えたまま日々を過ごしている。


どうか、このままなにも起きませんように…。

私の小さな願いですらも一瞬で砕け散ってしまうことを今のわたしは知らなかった。
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